大阪梅田形成外科クリニックの古林玄です。
今日は耳介後面の粉瘤に対して切開手術を行いましたので症例を紹介します。
動画を載せますが苦手な方は再生しないようにして下さい。
エコーで確認し、嚢胞を確認しました。耳介後面の粉瘤です。
今回くり抜き法についても考えましたが、皮膚の薄い部分でこれだけ大きくなってしまうと、皮膚が拡張されすぎてしまい、皮膚を切除しないと皮膚のタワミが出来てしまうため、切開法を選択しました。ある程度の皮膚の拡張は置いておけば縮むため、くりぬき法でいけることがほとんどです。
切除動画を閲覧します。
苦手な方はご遠慮ください。
余分な皮膚を切除し、被膜ごと腫瘍を切除します。
腫瘍を一塊に切除し、創部を丁寧に縫合します。
皮下を吸収糸である5-0PDS、表皮を6-0ナイロンで縫合しています。
切除された粉瘤です。被膜ごと非常に綺麗に切除されています。
ここまで綺麗に切除すれば再発はまずありません。
抜糸は一週間後に行います。
一週間後のため、赤みや抜糸の痕は残りますが、3-6か月で綺麗な傷になります。
抜糸は一週間以上を過ぎると、糸の痕が残ってしまうため、くれぐれも注意してください。
時折、他院で『表皮を吸収される糸で縫ったからそのままでいい』と言われ、一か月以上も放置されている患者様を診ることがあります。吸収される糸も種類によりますが3-6か月も吸収されずに残る場合があります。皮下組織の縫合で使用される場合には大丈夫ですが、表皮縫合でそれを行うと、ガッツリ糸の痕が傷に残ります。これはもう消すことが出来ないので十分な注意が必要です。
形成外科専門医
古林玄
大阪医科大学卒業後、日本一の乳房再建症例数のがん研有明病院で乳房再建を学び、聖路加国際病院で一般形成、美容外科の基礎を学ぶ。聖路加国際病院を出た後は眼と鼻の手術のスペシャリティーである大竹尚之先生の下で手術を学ぶ。