脂肪腫っぽいものが脇の下にできた?原因から治療法まで徹底解説!

「脇の下にできものができたけれど、何だろう?」

「前にできた脂肪腫が再発したのかな?」

「脂肪腫だったときの原因や治療法を知りたい」

脇の下にできものができると、日常生活でも違和感を感じますよね。

取った方がいいのか、取るならどんな治療方法があるのか気になりませんか。

本記事では、脂肪腫の原因や治療方法について解説しています。脂肪腫と似た疾患についても解説していますので、最後までご覧ください。

脇の下にできた脂肪腫は良性の腫瘍

脂肪腫は、良性の脂肪細胞として増殖してできる腫瘍で、皮下組織に発生します。

主に体幹や肩、首の後ろ、腕、臀部、太ももに見られ、女性にできやすい傾向があり、40~60歳に多く見られます。

通常は軟らかく痛みはなく、1~10cm程度の大きさです。

治療は必要ない場合が多いですが、わずらわしい場合は手術で切除することもあります。

脂肪腫はがん化することはほとんどありませんが、急激に大きくなる場合は形成外科への受診がおすすめします。

脇の下にできた脂肪腫の原因は?

脇の下に脂肪腫ができる原因は主に3つです。

ここでは、生活習慣・肥満・飲酒について解説します。

まずは、生活習慣から見ていきましょう。

生活習慣

脂肪腫は、脂肪細胞の良性腫瘍で、肥満や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が原因となることがあります。

生活習慣病は脂肪の代謝や蓄積に影響を及ぼし、脂肪細胞が異常に増殖するリスクを高めます。

そのため、高カロリーや栄養バランスの悪い食生活、運動不足、睡眠不足などの不規則な生活習慣は脂肪腫が発生しやすいリスク因子です。

肥満

脂肪腫は脂肪細胞にできる良性腫瘍のため、肥満がその一因とされています。

そのため、肥満により脂肪細胞が過剰に蓄積されることで、脂肪腫が形成されやすくなります。

飲酒

飲酒も脂肪腫の一因とされることがあります。

過度なアルコール摂取は肝臓の機能を低下させ、脂肪の代謝に影響を及ぼします。

その結果、脂肪細胞が異常に増殖し、脂肪腫が形成されやすくなります。

特に、良性対側性脂肪腫と呼ばれる脂肪腫は、肩や二の腕、太ももなどに左右対称にできる稀な脂肪腫です。

良性対測性脂肪腫は、アルコール摂取量が多く、肝機能障害をもつ男性に多いとされています。

脂肪腫が脇の下にできたときの対処法

脇の下に脂肪腫ができたときの対処法について3つ紹介します。

主に、生活習慣の改善・アルコール制限・摘出手術です。

まずは、生活習慣の改善から詳しく解説していきます。

生活習慣の改善

脂肪腫を予防するために生活習慣を改善する理由は、健康的な体重を維持し、脂肪細胞の過剰な蓄積を防ぐためです。

適度な運動やバランスの取れた食生活を心掛けることで、肥満や高脂血症を避け、脂肪腫のリスクを減らせます。

健康的な生活習慣は全身の健康を守るだけでなく、脂肪腫の予防にも有効です。

アルコールを制限する

脂肪腫を予防するためにアルコールを制限する理由は、過度な飲酒が肝臓の機能を低下させ、脂肪の代謝を妨げるためです。

これにより、脂肪が体内に蓄積しやすくなり、脂肪腫のリスクが高まります。

適度な飲酒を心掛けることで、肝臓の健康を保ち、脂肪代謝を正常に維持し、脂肪腫の発生を防ぐことができます。

摘出手術

脂肪腫の摘出手術は通常、局所麻酔を用いて行われます。

手術は以下の手順で進行します。

まず、医師が脂肪腫の周囲を切開し、腫瘍を包む被膜ごと慎重に取り除きます。

その後、切開部を縫合し、必要に応じてドレーン(細い管)を挿入して血液や滲出液を排出します。

手術自体は比較的簡単で、術後の回復も早いのが特徴です。

大きな脂肪腫や症状がある場合には、専門医の診察を受け、適切な治療を選択しましょう。

脇の下の脂肪腫と似た疾患

脂肪腫以外で考えられる疾患について紹介します。

ここで紹介するのは、同じようなしこりができる疾患です。

まずは、粉瘤(アテローム)について詳しく解説していきます。

粉瘤(アテローム)

粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下にできる良性の嚢胞で、主に毛包や皮脂腺が閉じてしまうことで発生します。

触れると丸くしこりのように感じられ、主に背中や首、顔などにできやすいです。

粉瘤は感染することがあり、赤く腫れたり膿が出たりすることもありますが、通常は痛みを伴わず、治療は外科的に取り除くことが一般的です。

定期的に皮膚の状態をチェックし、異常を感じたら医師に相談しましょう。

粉瘤について、動画でも詳しく解説しております。

滑液包炎(かつえきほうえん)

滑液包炎(かつえきほうえん)は、関節周辺にある滑液包(滑液を含む小さな袋)が炎症を起こすことで発生します。

主な原因は過度な動きや圧力による刺激です。

症状としては、関節周りの痛み、腫れ、発熱があります。

治療方法には、安静、氷冷、抗炎症薬の使用が含まれます。

重症の場合は、医師による処置が必要です。

予防には、日常生活での関節の使い過ぎを避け、適切な休息を取ることが重要です。

乳がん

乳がんは、乳房の乳腺細胞から発生する悪性腫瘍です。

初期症状として、しこりや乳房の形状の変化、乳頭からの分泌物などが見られます。

早期発見が重要で、定期的な自己検診やマンモグラフィーがおすすめです。

治療法には、手術、放射線療法、化学療法、ホルモン療法などがあります。

遺伝的要因や生活習慣も影響を与えるため、健康的な生活習慣の維持が予防に役立ちます。

疑わしい症状がある場合は、医師の診察を受けることが大切です。

脂肪肉腫

脂肪肉腫(リポサルコーマ)は、脂肪細胞から発生する悪性腫瘍の一種です。

主に四肢や体幹の深部に発生し、中年から高齢者に多く見られます。

痛みを伴わないしこりや腫れが特徴で、進行すると周囲の組織を圧迫し、機能障害を引き起こすことがあります。

診断はMRIやCT、生検によって行われ、治療は外科的切除が基本ですが、化学療法や放射線療法が併用されることもあります。

再発や転移のリスクがあるため、長期的な経過観察が重要です。

まとめ

本記事では、脇の下にできる脂肪腫の原因や対象法について解説していきました。

脂肪腫は脂肪細胞にできる良性の腫瘍です。

そのため、予防には、脂肪細胞を増殖させないことが有効です。

バランスの良い食生活、適度な運動、過度な飲酒を控えるなどの健康的な生活習慣を意識しましょう。

脂肪腫は良性の腫瘍ですが、自然に治ることはありません。

大きくなると、切除するときにリスクが高まるので、早めの受診がおすすめです。

また、稀に悪性の腫瘍の可能性もあるので、自分で判断しないようにしましょう。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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