脂肪腫は癌になる?気になる見分け方や対処法について徹底解説!

「首に脂肪腫っぽいものができたけれど、本当に脂肪腫かな?」

「がんだったらどうしよう」

「脂肪腫と悪性腫瘍の見分け方が知りたい」

上記のようなお悩みはありませんか?

良性の腫瘍だと思っていたけど、実際はがんだったら困りますよね。

病院に行ってから手遅れだったなんてことにならないように、早めの受診をおすすめします。

本記事では、脂肪腫と癌の見分け方や対処法の違いについて解説しています。治療方法についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

脂肪腫は癌とは異なる

脂肪腫とがんは、両者とも腫瘍ですが、性質が大きく異なります。

脂肪腫は良性の腫瘍で、脂肪細胞が異常に増殖したものです。

通常(悪化していない限り)は、触れても痛みがなく、大きさは数センチから10センチ程度の柔らかいしこりで、体幹や四肢に発生します。

脂肪腫が健康に大きな害を及ぼすことは稀で、がん化することはほとんどありません。

煩わしい場合や見た目に問題がある場合は手術で取り除くことができます。

一方、がんは悪性の腫瘍で、細胞が無制限に増殖し、周囲の組織に浸潤したり、他の部位に転移する可能性があります。

がんは一般的に痛みを伴うことが多く、早期発見と治療が重要となります。

しこりが急激に大きくなったり、不快感や痛みを感じる場合は、悪性腫瘍の可能性があります。

脂肪腫と癌の見分け方

ここでは、脂肪腫と癌の違いについて解説します。

脂肪腫
痛み なし あり
大きさ ゆっくり大きくなる 急に大きくなる
触感 柔らかい 硬い

痛み

脂肪腫とがんの痛みには明確な違いがあります。

脂肪腫は良性の腫瘍で、通常は痛みを伴いません。

稀に、脂肪腫が大きくなりすぎて神経や血管を圧迫すると、軽い痛みや不快感が生じることがありますが、深刻な痛みはほとんどありません。

一方、がんは悪性の腫瘍で、痛みを伴うことが多いです。

がんの痛みは、腫瘍が周囲の組織や神経を侵食したり圧迫することで生じます。

痛みの強さや性質は、がんの種類や進行度、部位によって異なります。

例えば、がんが進行すると持続的な痛みや鋭い痛みが見られ、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

しこりが急激に大きくなったり、痛みを感じる場合は、悪性腫瘍の可能性も考慮して医師に相談することが重要です。

大きさ

脂肪腫とがんの大きさには違いがあります。

脂肪腫は、通常1cm~10cm程度の良性の腫瘍で、ゆっくりと成長します。

大きくなることはありますが、急激に成長することは稀です。

一方、癌は悪性の腫瘍であり、大きさや成長速度はさまざまです。

癌は急速に成長し、周囲の組織に浸潤することがあります。

癌が進行すると、数センチから大きなものでは数十センチに達することもあります。

しこりが急に大きくなったり、形が不規則になったりする場合は、脂肪腫ではなく悪性の癌の可能性があるため、医師の診察を受けることが重要です。

触感

脂肪腫とがんの触感には違いがあります。

脂肪腫は、通常、柔らかくて弾力のあるしこりのように感じられます。

触れると皮膚の下で動くことができ、痛みはほとんどありません。

脂肪腫はゆっくりと成長し、触感は一定です。

一方、がんは、しばしば硬く、固定されていて動かせないしこりとして感じられます。

表面が不規則で、周囲の組織に浸潤していることがあります。

触感に違和感を感じる場合や、しこりが急に大きくなったり形状が変わったりする場合は、がんの可能性があるので、早めに医師に相談しましょう。

脂肪腫ができたときの対処法

ここでは、脂肪腫ができたときの対処法について解説していきます。

脂肪腫と癌では、対応が違うためそれぞれ詳しく見ていきましょう。

脂肪腫
治療法 外科手術 外科手術・薬物療法・放射線治療
受診する科 形成外科 部位や治療法によって異なる

脂肪腫の場合

脂肪腫ができた場合、形成外科や皮膚科に相談しましょう。

治療法としては、外科手術が一般的です。

しかし、一部のケースでは、脂肪吸引技術を用いて脂肪腫を取り除くこともあります。

治療方法は、脂肪腫の大きさや位置、患者さんの健康状態に応じて判断します。

医師に相談して、最適な治療法を選択することが大切です。

癌の場合

がんを疑った場合、まずは内科や一般外科で診察を受け、具体的な症状やがんの疑いのある部位に応じて、専門科に紹介されることが多いです。

脂肪腫と迷った場合には、形成外科を受診すると、腫瘍の診断をしてくれます。

疾患名 受診する科
乳がん 乳腺外科
肺がん 呼吸器外科・内科
胃がん・大腸がん 消化器外科・内科
前立腺がん 泌尿器科
皮膚がん 皮膚科

治療方法

治療方法はがんの種類や進行度により異なりますが、一般的には以下のような方法が用いられます。

治療方法 内容
手術 腫瘍を完全に摘出することを目的とします。
放射線療法 がん細胞を破壊するために高エネルギーの放射線を使用します。
化学療法 抗がん剤を用いてがん細胞の増殖を抑える治療です。
免疫療法 免疫系を強化してがん細胞と戦います。
ホルモン療法 ホルモン依存性のがんに対して、ホルモンの作用を抑える治療です。

脂肪腫の治療法

ここでは脂肪腫の治療法について解説していきます。

脂肪腫は手術での切除になります。

手術までの流れ

まず当院では、エコー検査を行います。

診断がつけば当日手術も可能ですが、当日に診断ができない場合には検査後に再度来院していただき、手術を行います。

手術の流れ

以下は手術の流れです。

  • マーキング:手術前に、該当箇所にマーキングを施します。
  • 麻酔注射と切開:局所麻酔を行い、脂肪腫の近くに小さな切開を入れます。
  • 脂肪腫の除去:腫瘍を慎重に取り除きます。
  • 止血と縫合:傷跡を最小限に抑え、圧迫固定を行います。
  • 抜糸:術後、細い糸を使って丁寧に縫合します。

まとめ

本記事では、脂肪腫と癌の違いについて解説してきました。

脂肪腫は良性の腫瘍のため、健康に大きな影響はありませんが、癌は悪性腫瘍で早期発見が重要です。

できものができた場合、自己判断せずに形成外科を受診しましょう。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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