脂肪腫ができやすい人の特徴は?原因や再発防止についても徹底解説!

「脂肪腫ができやすい人の特徴が知りたい」
「脂肪腫は遺伝性があるの?」
「脂肪腫ができなくするための予防方法は?」

治療したのに、またしこりのようなものができてしまい、脂肪腫かもしれないと悩んでいませんか?
脂肪腫の再発を防止するためには生活習慣を見直すことが重要です。

本記事では、脂肪腫ができやすい人の特徴や再発防止をするために大事なことについて詳しく解説しています。

脂肪腫ができやすいかもしれないと悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

脂肪腫とは

脂肪腫とは、脂肪細胞が皮下組織に増殖してできる良性の腫瘍です。脂肪組織があるところ、つまりは身体中にできる可能性がありますが、背中・肩・首の後ろなど身体に近い部位に発生する傾向にあります。次いで、腕・臀部(尻)・太ももなどの身体に近い手足にできることがあります。

皮膚の下にドーム状の柔らかいしこりがあり、皮膚の上から触っても感触があります。通常は、痛みなどの症状はありません。つまり、硬かったり痛みを伴う場合は脂肪腫以外の疾患の可能性があるので注意が必要です。

時間が経つと大きくなってしまうので放置はおすすめできません。手術をする場合は、傷跡も大きくなってしまいます。さらに、脂肪腫ではなく、実際は悪性の腫瘍だった場合は治療の遅れの原因になるので、早めに受診することをおすすめします。

脂肪腫ができやすい人の特徴3選

脂肪腫が発生する具体的な原因は特定されていません。ただし、遺伝的な要因や特定の疾患との関連が考えられています。ここでは、できやすい傾向にある人の特徴を3つ解説します。

肥満

脂肪腫は、脂肪細胞が集まってできるものです。そのため、肥満や過体重は脂肪腫のリスク因子として作用する可能性があります。

高脂血症や糖尿病

糖尿病や高脂血症は、脂肪腫に関連することがあります。糖尿病が発症する原因として、肥満や過体重が挙げられるため、糖尿病と肥満の両方がある場合、脂肪腫になるリスクが高まります。

次に、高脂血症は血液中の脂質(脂肪)が大幅に増加した状態です。そのため、血管内の脂質の沈着や動脈硬化が起こるリスクがあります。これにより、動脈硬化が進行し、血管壁に脂肪腫が形成される可能性があります。

性別

脂肪腫は一般的に女性に多いとされています。※1
理由は、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが分泌されることが原因です。

エストロゲンには、脂肪細胞の成長を促進する働きがあります。そのため、男性に比べてエストロゲンの分泌量が多い女性の方が、脂肪細胞の増殖や蓄積が起こりやすく、脂肪腫が発生しやすいとされています。

しかし、良性対側性脂肪腫と呼ばれる、肩や二の腕、太ももなどに左右対称にできる稀な脂肪腫は、アルコール摂取量が多く、肝機能障害をもつ男性に多いと考えられています。

※1引用:日本形成外科学会『脂肪腫』

脂肪腫ができやすい原因3選

脂肪腫らしきものが繰り返しできると、理由が気になりますよね。脂肪腫はいろいろな要因が関連して、発症するリスクが高まります。ここでは、脂肪腫ができやすい要因を解説します。

遺伝的要因

脂肪腫で染色体異常が見られるケースがあり、遺伝子が関与している可能性があります。遺伝子の異常が関係すると考えられていますが、遺伝するものではないと言われています。

生活習慣

生活習慣の乱れが原因で脂肪腫ができる可能性が高まります。例えば、肥満・喫煙・患部への持続的な刺激などが脂肪腫のリスクを高めるとされています。

飲酒

特に多発性脂肪腫の場合、過度なアルコール摂取が関与していると考えられています。
飲酒が脂肪腫の発生に直接影響を与えるとされていませんが、飲酒が脂肪代謝や全身の健康に影響を与えることで、間接的に脂肪組織に影響を与える可能性があります。

脂肪腫の再発防止

からだに何度も脂肪腫のようなしこりができないように防止するために、気をつけるべき3つのポイントを紹介します。

完全な切除

脂肪腫の手術をする場合、腫瘍を包む被膜を破らずに完全に摘出することが重要です。

切除する方法にもいくつか種類があり、どうしても再発の可能性が残ってしまう治療や、再発の可能性が著しく低い治療など種類は様々です。完全に切除する手術を選択することで、再発のリスクを減らすことができます。

定期的な検診

手術後も定期的に医師の診察を受け、再発の予兆がないことを確認することが大切です。

過去に脂肪腫ができた経験がある人は注意が必要です。特に、家族に脂肪腫を発症している人や高脂血症や糖尿病などの疾患がある人は、生活習慣が似ていることがあるので、気を付けましょう。

生活習慣の改善

ストレスや肥満、喫煙などの生活習慣が脂肪腫の発生リスクを高める可能性があります。適度な運動やバランスのよい食生活を心掛けましょう。

バランスのよい食生活をするために、摂取カロリーを消費カロリーより抑えることや、たんぱく質やビタミン、食物繊維などの栄養素を意識して摂取するようにしてください。

再発防止には、健康で規則正しい生活が必要不可欠です。

例えば、体脂肪率を減らすために有酸素運動や筋力トレーニングなどの運動習慣を取り入れるといいでしょう。

有酸素運動で脂肪を減らし、筋力トレーニングで

筋肉をつけることで、代謝が上がり脂肪燃焼を促進します。また、アルコールの摂取頻度を下げることも重要です。

さらに、十分な睡眠やストレス管理も意識する必要があります。十分な睡眠は、体脂肪を減らすために重要ですし、ストレスは過食を引き起こす原因にもなるので、こまめにストレス発散するようにしましょう。

これらの対策を意識することで、脂肪腫の再発リスクを最小限に抑えることができます。自分の生活習慣に原因があるかどうか不安な方は、医師に相談することをおすすめします。

脂肪腫に似た症状の病気

一度脂肪腫ができたことがあるからと言って、また脂肪腫ができたと決めつけるのは危険です。脂肪腫に似た症状でも悪性の腫瘍の可能性もあるので、自分で判断せずに病院に行きましょう。ここでは、脂肪腫と間違いやすい病気について解説します。

粉瘤

皮膚の下にできた袋状の中に、垢や皮脂などの老廃物が溜まった良性腫瘍です。中央に黒い点のようなものがあり、触れたりすると悪臭が出ることがあります。また、つぶそうとすると、溜まった老廃物がドロドロとした状態で出てくることもあります。

脂肪肉腫

脂肪腫とよく似た悪性の腫瘍として、脂肪肉腫があります。脂肪肉腫は脂肪細胞から発生する悪性腫瘍で、軟部肉腫の一種です。脂肪腫と見た目が似ているため、区別が難しいことがありますが、脂肪肉腫は急速に成長し、痛みを伴うことが多いです。

良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは、身体の正常な機能を妨げ、体重減少や疲労感など全身症状を引き起こすことです。悪性腫瘍は急速に増殖し、周囲の組織に浸潤し、治療が難しくなったり再発の可能性が高くなります。そのため、早期発見が重要です。

腫瘍は、良性でも悪性でも自然治癒しません。悪性の腫瘍の可能性もあるので、身体にしこりを発見したら、大丈夫だろうと思わずに病院に相談しましょう。自己判断せずに医師の診察を受けることが非常に重要です。

脂肪腫が再発したら当院へご相談ください

脂肪腫は、肥満や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の方にできやすい傾向です。そのため、バランスの良い食生活や適度な運動などを取り入れた健康的な生活を送ることが重要です。

また、アルコールを日常的に接種する習慣がある方は、摂取量を控えるようにしましょう。再発防止だけでなく、健康のためにも生活スタイルを見直してみることをおすすめします。

また、脂肪腫は自然には治らず、徐々に大きくなるため、治療が必要です。大きくなりすぎると、切除したときに傷痕が残るリスクが高まります。さらに、稀に悪性の腫瘍の場合もあるので、自己判断での放置はおすすめしません。脂肪腫のようなできものが再発したら、当院へご相談ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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