脂肪腫の手術は入院は必要?治療方法から術後のケアまで解説!

「脂肪腫の手術は入院が必要なのか知りたい」

「入院の期間や生活について気になる」

「入院しなくても脂肪腫の手術は受けられるか知りたい」

脂肪腫が発覚したら手術による摘出が必要になります。「手術=入院」というイメージは強いですが、脂肪腫の治療も入院が必要かどうか気になりますよね。
本記事では、どのような症状がある場合に入院が必要なのか、また手術後のケア方法など詳しく解説します。

脂肪腫の治療に安心して望むためにも、ぜひご一読ください。

脂肪腫の手術は入院なしで治療可能

脂肪腫の手術は入院無しで日帰りの治療が可能です。
手術は通常、局所麻酔下で行われ日帰りが多いですが、大きな脂肪腫や複雑な部位にある場合は全身麻酔が必要となり、入院が必要になることもあります。

脂肪腫は脂肪細胞が異常に増殖してできる良性の腫瘍で身体中どこにでも発生する可能性があります。腫瘍大きくなったり不快感を生じるようになった場合は手術が必要です。
一般的に無害で、痛みを伴わないことが多いため、手術せずに経過観察をすることもあります。
入院する場合の期間は通常1~3日程度で、手術後は傷口の管理や痛みのコントロールが行われます。
また、手術後の回復をスムーズにするために、ドレーンが使用されることがあります。ドレーンとは、体内に溜まった血液や体液などを、体外に排出するために使用する管やフィルム状の医療用品です。

脂肪腫の診断

脂肪腫は良性の腫瘍ですが、似た症状で悪性の腫瘍であることもあるため、正確な診断が重要です。
ここでは、脂肪腫の診断方法や病院の選び方について紹介します。
脂肪腫の治療方法にも関係するため、詳しく見ていきましょう。

診断方法

脂肪腫を診断するための方法は、身体検査、画像診断、病理組織検査があります。

診断方法 内容
身体検査 触診で、 医師が腫瘤の位置、大きさ、形状、硬さなどを診察します。
画像診断 X線、CTスキャン、MRIなどを行い、脂肪腫の詳細な位置や大きさを確認します。脂肪腫の筋肉との位置関係などを把握することが目的です。
病理組織検査 腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で観察して腫瘍の性質を確認します。触診や画像診断では悪性の腫瘍と判別がつかない場合に行います。

医療機関の選び方

脂肪腫の治療を受ける際には医師の経験が重要です。
形成外科や皮膚科など、脂肪腫の治療に精通した医師が在籍する病院を選びましょう。
傷跡が残らない手術を希望する場合は、より治療実績が豊富な医師に依頼するのがおすすめです。
入院設備が整っていない医療機関にて、全身麻酔が必要と診断された場合は、他の医療機関を紹介してもらうケースもあります。

また、病院の評価や口コミを確認し、他の患者さんの体験談や、医療設備も参考にできます。

保険が適用されるかどうかや、術後のフォローアップ体制も確認し、総合的なサポートが得られる病院を選ぶと良いでしょう。
以上の点を考慮して、自分に合った病院を選びましょう。

脂肪腫の治療法

脂肪腫の治療法には、経過観察と手術の2つがあります。

経過観察は、脂肪腫が小さく、症状がない場合に選択されます。
定期的な検査で腫瘍の成長を監視し、必要に応じて治療法を見直します。
経過観察中は、生活習慣の改善や健康管理が重要です。

手術は、脂肪腫が大きくなったり、痛みや他の症状がある場合に行われます。
手術では、腫瘍を摘出し、再発防止のため、周囲の組織も一緒に取り除くこともあります。
術後は、回復期間やリハビリが必要になることがあります。

どちらの方法も、患者さんの状態や希望に応じて選択されます。
医師と相談しながら、最適な治療法を選ぶことが大切です。

脂肪腫での入院の必要性

小さな脂肪腫は局所麻酔を用いた日帰り手術で摘出可能です。
しかし、脂肪腫の手術で入院が必要かどうかは、脂肪腫の大きさや位置、患者さんの全体的な健康状態によります。

例えば、大きな脂肪腫や深部に位置する脂肪腫、または複数の脂肪腫である場合は全身麻酔が必要となり、入院が推奨されることがあります。

入院期間は通常1~3日程度で、術後の経過観察や痛み管理、感染予防のために入院が必要です。
手術の詳細や入院の必要性については、医師と相談し、理解したうえで最適な治療法を選択するようにしましょう。

脂肪腫の手術と術後のケア

脂肪腫の大きさやできる部位によって、治療法が変わってきます。
ここでは、手術となった場合の手術方法や術後のケアについて解説します。
まずは、手術の方法と術前準備から詳しく見ていきましょう。

手術と術前準備

脂肪腫の手術方法は、一般的に「切開法」が用いられます。
手術では、局所麻酔または全身麻酔を使用し、脂肪腫の上に小さな切開を入れて腫瘍を完全に摘出します。
脂肪腫が大きい場合や深く埋もれている場合、手術はやや複雑になることがあります。
また、必要に応じて、ドレーンを挿入して体液を排出しやすくします。

術前準備 内容
医師との相談 手術の詳細やリスク、予後について事前に理解し、疑問や不安を解消しておく。
健康チェック 血液検査や心電図など、必要な健康チェックを行う。
禁煙と飲酒の制限 手術前の数週間は禁煙し、飲酒を控える。
服薬の調整 現在服用している薬について、手術の前後にどう調整するか医師に確認する。

上記のことを行ったうえで、手術前夜は十分な睡眠を取り、リラックスして手術に望みましょう。

術後のドレーン管理や傷の手入れ

ドレーンを手術で使う際にはいくつか注意点があります。

まずは、ドレーンの挿入部位を清潔に保つことが重要です。
しかし、ドレーン挿入中は濡らしてはいけません。
医師から指示された方法で、洗浄・消毒を行い清潔にしましょう。

また、ドレーンを正しく取り扱うことも重要です。
ドレーンは固定されているため、引っ張ったり、ひねったりしないように注意しましょう。
さらに、ドレーンが詰まったり、曲がったりしないように適切な位置を保つようにします。

排出される液体の量や色を観察し、異常があればすぐに医師に報告します。
異常な出血や急激な増加があれば、すぐに医師に相談しましょう。

日常生活の注意点は、重いものを持たないようにし、急な動きや激しい運動は控えましょう。

これらの点に注意することで、ドレーンの使用期間中の感染リスクや合併症のリスクを減らし、早期回復を目指すことができます。

術後の回復の目安と注意点

脂肪腫の手術後、回復には一般的に2〜4週間程度かかりますが、個人差があります。

手術後1〜2日は痛みや腫れがあるため、処方された痛み止めを使用します。
この期間は安静に過ごし、激しい動きを避けることが重要です。

手術後から1週間程は、縫合部位の確認と、ドレーンが使われている場合はドレーンの管理を行います。
感染症の兆候がないかチェックしましょう。

手術後2週間程度で、通常、抜糸が行われます。
この時点で、腫れや痛みは徐々に引いてきます。

手術後4週間経つとほとんどの患者さんは、この頃に通常の活動に戻ることができます。
ただし、激しい運動や重い物を持つことは引き続き避けましょう。

定期検診と生活習慣の改善

脂肪腫の手術後、再発防止や早期回復のためにも、定期検診と生活習慣の改善が重要です。

定期検診では、傷口の治癒状況や体調を確認し、必要に応じて追加の治療やケアを行います。
また、術後の異常を早期に発見し、迅速に対応することで、感染症や再発のリスクを減らせます。

生活習慣の改善は、免疫力向上や適正な体重管理などに必要です。
バランスの取れた食事と適度な運動により、免疫力が向上し、感染症の予防に役立ちます。

生活習慣の改善項目 具体例
食事 バランスの良い栄養を意識し、新鮮な野菜や果物、タンパク質を摂取する。
適度な運動 ウォーキングや軽いストレッチなどを日常に取り入れる。
休息 十分な睡眠を取り、心身のストレスを軽減する。
禁煙・節酒 タバコを控え、アルコール摂取も適量に抑える。

適正な体重を維持することで、体への負担を軽減し、回復を促進します。
また、脂肪腫は脂肪細胞が異常に増殖することで発症するため、適正な体重管理で脂肪の増加を抑えることは、脂肪腫を予防することに繋がります。

さらに、十分な休息とリラックス法を取り入れることで、ストレスを軽減し、全体的な健康を向上させます。
そのうえで、タバコや過度なアルコール摂取を避けることで、体の回復力を高め、再発のリスクを減らします。

定期検診と生活習慣の改善は、術後の健康維持と早期回復に不可欠です。
医師の指導を守りながら、自分自身の健康をしっかりと管理していきましょう。

まとめ

本記事では、脂肪腫の手術における入院の必要性や術後ケアについて解説しました。

脂肪腫は良性の腫瘍ですが、徐々に大きくなります。
入院なしで治療したい方は、肥大化する前に早めの受診がおすすめです。

当院では、患者様の都合に合わせた日程での日帰り手術も可能となりますので、放置する前にお気軽にご相談ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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