脂肪腫は除去する方法は?手術の種類や流れ、費用について解説

「脂肪腫の除去手術は日帰りなのか入院が必要なのか知りたい」
「脂肪腫を除去するための治療費が気になる」
「除去した後に痛みが出ないか心配」

脂肪腫は手術で除去できるものの、「手術」と聞くと大掛かりな気がして上記のような不安は尽きません。

本記事では、脂肪腫を除去する方法からアフターケアまで徹底解説していきます。脂肪腫の手術を受けたいけれど、不安に思っている方はぜひご覧ください。

脂肪腫とは

脂肪腫は手術で除去できる腫瘍の1種です。

脂肪腫は、皮下にできる脂肪組織の(ガンではない)良性腫瘍で、通常痛みはありません。しかし、大きくなると周囲の皮膚が引っ張られたり、神経を圧迫することで痛みを感じることがあります。脂肪腫の感触は、一般的に柔らかく、触ると動かすことができます。また、脂肪腫は成長がゆっくりで、数年かけて大きくなることが多いです。

しかし、脂肪腫ができる正確な原因は解明されていないので、場合によっては何かしらの原因によって急激に成長することもあります。脂肪腫だと思っていたしこりが急に大きくなる場合は、実は悪性(ガン)の可能性も捨てきれない、早めの受診をおすすめします。

脂肪腫の見た目が気になる方や痛みを軽減したい方が除去の治療を受けることが多いです。

脂肪腫を除去する方法

脂肪腫の治療には経過観察と手術の2つの対応があります。ここでは、脂肪腫の診断方法や治療法について解説します。

まずは、診断方法から見ていきましょう。

脂肪腫の診断方法

脂肪腫の診断方法は、問診や触診で症状や感触を確認し、エコー、CT、MRIで腫瘍の大きさや位置を把握します。必要に応じて病理検査で腫瘍の性質を詳しく調べます。

脂肪腫は皮下にできる良性腫瘍で、柔らかいしこりのように触れますが、神経を圧迫する場合は痛みを感じることもあります。自然には消えず、ゆっくりと成長するため、急激に大きくなる場合や悪性が疑われる場合は受診が必要です。

経過観察の場合

脂肪腫は良性の腫瘍なので、経過観察でも健康上の問題はありません。しかし、腫瘍が急激に大きくなる、痛みが強くなる、または悪性の疑いが出た場合は、手術などの治療が検討されます。

経過観察の場合、医師による定期的な診察が行われ、腫瘍の大きさや形状の変化を確認します。患者自身も腫瘍の状態を観察し、変化があれば医師に報告します。経過観察は、腫瘍が小さく症状がない場合や、手術のリスクが高い場合に選択されることが多いです。

除去手術の場合

脂肪腫の摘出手術は、局所麻酔を使用して行われる手術と全身麻酔でする手術の2種類です。摘出手術を行う場合は以下の通りです。

    • ・痛みや不快感がある場合。
    • ・急速に大きくなるなど悪性が疑われる場合。
    • ・目立つ場所にできたなどの見た目が気になる場合。
    • ・機能障害を引き起こす場合。
  • ・しこりが悪性か良性か不確実な場合。(摘出された腫瘍は、病理検査に送られ、良性か悪性かの確認が行われます)

脂肪腫除去の流れ

脂肪腫の手術は日帰りで可能です。ここでは、手術の流れや入院の必要性について説明します。まずは当日の流れについて見ていきましょう。

手術当日の流れ

一般的な手術の流れは以下の通りです。

1.準備
手術前に、患者の健康状態を確認するための検査や問診が行われます。また、手術の詳細やリスクについて説明され、同意書にサインします。

2. 麻酔
手術室で局所麻酔が施され、手術部位の痛みを感じないようにします。局所麻酔のため、患者は手術中も意識がありますが、痛みは感じません。(全身麻酔の場合は意識もありません。)

3. 切開
皮膚に小さな切開を行い、脂肪腫を露出させます。この際、切開部はなるべく小さくし、傷跡が目立たないように配慮されます。

4. 摘出
脂肪腫を周囲の組織から慎重に分離し、摘出します。脂肪腫が完全に取り除かれるように、細心の注意が払われます。

5. 縫合
摘出後、切開部を丁寧に縫合します。縫合には吸収糸や非吸収糸が使用され、医師が判断します。

6. 術後ケア
手術後は感染予防のために抗生物質が処方されることがあります。また、痛みや腫れを軽減するために鎮痛剤が使用されます。

7. フォローアップ
手術後、数回のフォローアップ診察が行われます。傷の治り具合や再発の有無を確認し、適切なケアが提供されます。

手術の所要時間と方法

脂肪腫の手術は通常30分から1時間程度で終了します。手術の時間は腫瘍の大きさや場所、手術の複雑さによって異なります。

脂肪腫のサイズ 手術時間 麻酔の種類
5㎝以下 約30分 局所麻酔
10㎝以上 約1時間 全身麻酔の可能性あり

 

筋肉にべったりとくっついている脂肪腫や神経や血管が近くにある、5㎝以上の大きな脂肪腫の場合、全身麻酔が必要になる場合があります。

入院の必要性と日帰り手術

脂肪腫の手術は、通常日帰りが可能で入院の必要はありません。しかし、複雑な手術で全身麻酔を行う場合、入院をすすめられることもあります。自分の脂肪腫がどのような状態にあるのか確認するためにも、早めに病院を受診しましょう。

脂肪腫除去後のアフターケアと回復

脂肪腫の手術を受けた後の対応は、その後の回復にも影響します。ここでは、術後のダウンタイムやアフターケアについて解説します。まずは、除去後のダウンタイムについて詳しく見ていきましょう。

術後の痛みとダウンタイム

脂肪腫の手術後の痛みやダウンタイムは、個人差がありますが、数日から1週間程度続くことがあります。痛みは、麻酔が切れると軽い痛みや不快感を感じることがありますが、鎮痛剤の処方により和らげることができます。また、切開部の腫れやあざが見られることもありますが、数日で徐々に回復します。

術後の期間 症状 対処方法
術後1〜2日 軽い痛み、腫れ、内出血が見られる 鎮痛剤の服用、安静にする
術後1週間 腫れが徐々に軽減、傷口の保護が必要 傷口を清潔に保ち、指示通りの処置を行う
術後2週間〜1ヶ月 痛みはほぼ消失、傷跡のケアが重要 医療用テープの使用やUV対策を行う

 

手術後は、重いものを持ち上げない、激しい活動は避ける、切開部を清潔に保つなど気を付けて日常生活を送ることが早期回復のために重要です。

定期的な通院の重要性と頻度

脂肪腫除去手術後の定期検診は、傷の治癒状態を確認し、再発や合併症を早期発見するために重要です。通常、手術後1〜2週間以内に最初の検診が行われ、縫合部分の状態や感染の有無をチェックします。

その後、1ヶ月ごとに定期検診が行われ、必要に応じて頻度が調整されます。

通院のタイミング 主なチェック内容
術後1〜2週間 縫合部分の状態、感染の有無
術後1ヶ月 回復状況、傷跡の確認
術後3〜6ヶ月 再発の有無、長期的な経過観察

 

特に、傷口の赤みや腫れ、痛みが続く場合は早急に受診が必要です。また、脂肪腫が再発しないかどうかの確認も含まれます。これにより、万が一の問題を早期に対応できるため、患者の健康維持に役立ちます。継続的なフォローアップは、安全かつ効果的な治療の一環として非常に重要です。

脂肪腫除去手術の費用

脂肪腫の手術には、保険が適用されるため比較的安価で治療を受けることが可能です。ただし、脂肪腫の大きさや部位によって費用は異なります。当院で手術を行う場合の費用は以下のとおりです。

露出部(顔・首・肘から指先・膝から足先)の場合

脂肪腫(リポーマ)の手術は、診断、検査、手術、病理検査などの治療全てが保険対象です。また、医療保険に加入している場合は手術給付金を受けられることもあるため、ご自分の入っている保険を確認しておきましょう。

手術費用は脂肪腫の大きさや位置、手術方法によって異なります。当院は、クレジットカード非対応のため現金(1万から2万5千円程)が必要です。また、脂肪腫が重要な神経の近くにある、大きい、深部に及ぶ場合は、高度医療機関へ紹介することもあります。

切除した脂肪腫の直径の合計 3割負担の場合 1割負担の場合 別途費用
2cm未満 5,310円〜5,910円程度 1,770円〜1,970円程度 診察料・処方料 1,000円程度
検査費用 1,000円程度
病理検査費用 3,000円程度
2cm〜4cm未満 11,340円〜11,940円程度 3,780円〜3,980円程度
4cm以上 13,410円〜14,010円程度 4,470円〜4,670円程度

非露出部(体幹やその他)の場合

切除した脂肪腫の直径の合計 3割負担の場合 1割負担の場合 別途費用
3cm未満 4,170円〜4,780円程度 1,390円〜1,590円程度 診察料・処方料 1,000円程度
検査費用 1,000円程度
病理検査費用 3,000円程度
3cm〜6cm未満 10,020円〜10,630円程度 3,340円〜3,540円程度
6cm以上 12,810円〜13,420円程度 4,270円〜4,470円程度

脂肪腫(リポーマ)の手術は、診断、検査、手術、病理検査などの治療全てが保険対象です。

また、医療保険に加入している場合は手術給付金を受けられることもあるため、ご自身の保険内容を確認しておきましょう。

まとめ

本記事では、脂肪腫を除去するための流れから費用までを解説しました。

脂肪腫は、自然消滅しないため除去するには、手術が必要です。
脂肪腫が大きかったり、複雑な場所に発生したりしていない場合は、日帰り手術も可能なため、仕事の合間でも手術ができます。

当院では、24時間WEBから予約ができ、状態次第では当日の手術も可能なため、1~1時間半ほどの時間に余裕をもって受付することがおすすめです。
まずは、気軽にご相談ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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