顔の傷跡修正|目立たなくするための治療方法やケア方法を解説

顔にできた傷跡は、見た目に影響を与えるだけでなく、精神的にも大きな負担になることがあります。
しかし、適切な治療とケアを行うことで、傷跡を目立たなくすることが可能です。

この記事では、顔に残った傷跡の治療方法やケア方法を解説します。
顔の傷跡を気にされている方や、傷跡の修正を考えている方はぜひ参考にしてください。

 

このようなことが原因で傷がついていませんか

顔に傷がつく原因はさまざまです。以下のようなケースで、顔の傷にお悩みではないでしょうか。

  • ・美容整形や外科手術後にできる傷跡
  • ・転倒や事故・スポーツ中のケガ
  • ・ニキビ跡や水ぼうそうの跡
  • ・熱湯や火による火傷
  • ・ペットの引っかき傷や噛み傷

 

顔に傷跡が残ってしまった場合、適切なケアや治療が必要です。

 

傷跡の種類と傷跡が残るメカニズム

傷跡は、皮膚の損傷が修復される過程で形成されます。皮膚は、自己再生能力を持っていますが、傷の深さや治癒の家庭によっては跡が残ることがあります。

傷跡には、以下のような種類があります。

成熟瘢痕

成熟瘢痕とは、傷が治ってから時間が経過している傷跡のことです。赤みや膨らみが引き、白く平坦になっており、痛みもかゆみもほとんどありません。

瘢痕には個人差があり、体質やケアの方法によって変わります。適切なケアを続けることが重要です。

陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)

陥凹性瘢痕は、皮膚が凹むタイプの傷跡でクレーターとも呼ばれます。ニキビ跡や水ぼうそうの跡が代表的です。周囲の皮膚よりも低い位置にあるため、目立ちやすいことが特徴です。

一度できると自然治癒はしないため、適切な治療をする必要があります。皮下組織にもダメージが及んでいることが多いため、治療に時間がかかる場合があります。

肥厚性瘢痕

肥厚性瘢痕は、傷口がミミズ腫れのように盛り上がり赤みを帯びている傷跡のことです。傷の範囲内にとどまることが特徴で、傷の周囲には広がりません。かゆみや痛みを感じることがあります。

肥厚性瘢痕は、長い時間をかけて自然と小さくなることもありますが、目立つ場合や不快感がある場合は治療を行うことがあります。

ケロイド

ケロイドは、肥厚性瘢痕とよく似た症状ですが、
肥厚性瘢痕よりも炎症が強いことが特徴です。また、傷跡の範囲を超えて少しずつ拡大していきます。

ケロイドは体質的な要因が関係していますが、皮膚の色が濃い人にできやすい傾向にあります。

瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)

瘢痕拘縮とは、傷跡が引きつれて関節が動かしづらくなる状態のことです。肥厚性瘢痕やケロイドを放置していたり、効果の少ない治療を続けていたりすると発生しやすくなります。

瘢痕拘縮が発生すると、柔らかくなるまで長い時間を要します。

 

跡が残らないようにケアする方法

傷跡が残らないようにするためには、適切なケアが重要です。すでに肥厚性瘢痕やケロイドといった傷跡が残っている場合は、形成外科に相談しましょう。

保湿

適度な湿度を保ち、傷跡の乾燥を防ぐことが大切です。皮膚が乾燥すると、かゆみや痛みが出たり、赤みが残ったりする可能性があります。

適切な保湿を行うことで、肌のバリア機能が保たれ、外部からの刺激や細菌の侵入を防ぐ効果が期待できます。敏感肌の方は、香料や防腐剤など、刺激を与える成分が含まれていない製品を選ぶようにしましょう。

遮光

傷跡が残らないようにするためには、紫外線対策を行うことが大切です。紫外線を浴びると、傷跡が色素沈着を起こしやすくなります。色素沈着は治癒しにくいため、予防することが重要です。

特に、傷跡がまだ治癒していない時期や、治療後の色素沈着を防ぐためには、適切な紫外線対策が欠かせません。日焼け止めテープや遮光性のテープなどを利用して紫外線対策をしっかり行いましょう。

保護

傷口を摩擦や刺激から守ることも大切です。治癒過程で外部の細菌や汚れが傷口に入り込むと、細菌感染などで、傷が悪化する可能性があります。治癒が遅れるだけでなく、傷跡が残る原因にもなるため注意が必要です

医療用の防水テープやガーゼなどを使用して、傷口をしっかりと保護し感染リスクを減らしましょう。

 

治療の種類

顔の傷跡の治療方法は、以下のとおりです。

手術

手術は、傷跡を目立たなくすることを目的としています。完全にきれいに消すことはできませんが、現在の状態よりも目立たなくなります。さまざまな種類の傷跡があるため、切開と縫合の技術やデザイン力が重要になります

SKIN52(医療アートメイク)

SKIN52は医療アートメイクで、傷跡の色を肌になじませることで目立ちにくくする治療法です。肌の色に合わせた色素を皮膚に注入することで、自然な仕上がりになります

治療期間は1年半と長めになりますが、メスを入れたくない方などに適した治療方法です。

ダーマペン

ダーマペンは、微細な針で皮膚を刺激し、肌の再生能力を促す治療法です。ニキビ跡や手術痕などに適しています。

ダーマペンは、真皮層(皮膚の深い場所)まで届くため、傷跡を薄くしたり目立たなくさせたりすることが期待できます

 

治療の流れ

顔の傷跡の治療の流れは、以下のとおりです。

  1. 問診表記入:患者様の情報を記入
  2. カウンセリング:傷跡に関する悩みや希望の術式をヒアリング
  3. 診察:具体的な治療方針を決定
  4. 施術日の確定:施術日を指定・決定する
  5. 施術:診察で決定した治療法で施術
  6. 術後のケア日の予約:ダウンタイムが発生するためアフターケアの日程を予約

治療のダウンタイム

顔の傷跡を治療した後のダウンタイムは以下のとおりです。

治療方法 ダウンタイム
手術 1ヶ月~3ヶ月
SKIN52(医療アートメイク) 赤み:数日~1週間程度
ダーマペン 赤み:1日~2日
腫れ:3日~4日

治療方法によって、ダウンタイムは異なります

術後のケア

手術をした場合、術後のケアが重要です。抜糸をした後は、縫い寄せた部分は傷あとが広がろうとする力がかかっています。テーピングを行い、傷にかかる負荷を軽減する必要があります。

また、傷あとの色が目立たない状態で安定するように、遮光(紫外線対策)することも重要です。傷口を清潔に保ち、医療用テープなどでしっかり保護しましょう。

傷あとが落ち着くまでの期間には、個人差があります。いつまでアフターケアを行わなければならないのか、追加で治療を行うべきかなどを判断しなければなりません。そのため、定期的に経過観察を行う必要があります

 

費用

顔の傷跡の治療にかかる費用は、以下のとおりです。

治療法 サイズ 料金相場
手術 植皮法(25c㎡) 440,000円~
切除法(3.0c㎡以下) 200,000円~
医療アートメイクSkin52 2c㎡ 89,000円~
ダーマペン 2cm 8,800円~

治療費は、治療方法や治療範囲によって大きく異なります
詳しくは医師に相談しましょう

 

顔の傷が気になる場合はまずは当院にご相談ください

顔の傷跡は、適切なケアや治療によって目立たなくすることが可能です。当院では、患者様の症状に応じた適切な治療方法を提案します。

カウンセリングを通じて最適な施術を提案し、アフターケアまでサポートしています。顔の傷跡でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。